昨日の夜(2025年12月8日のこと)、M7.6の地震が青森県東北沖で発生した。それに伴い、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された。どうやら初めて発表される情報のようだが、気になったのでどういうものなのか調べてまとめてみた。
*筆者は専門家ではないので調べた範囲をまとめている。誤情報は含まないよう気を付けるが確実な正確性は保証できない。

さて、気象庁の「北海道・三陸沖後発地震注意情報」についてを見るとまず最初にこう書かれている 。
以後、この「北海道・三陸沖後発地震注意情報」についてをもとに話を進める。
日本海溝・千島海溝沿いの領域で規模の大きな地震が発生すると、その地震の影響を受けて新たな大規模地震が発生する可能性が相対的に高まると考えられています
つまるところこの後発地震注意情報とやらはあくまで東北、千島沖での地震の際に発令されるようだ。
南海トラフなどのほかの地震では「『南海トラフ地震に関連する情報』について」というように別の指標があるらしい。
さて、もう少し読み進めていこう。
情報の発表基準のところに
日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域及び想定震源域に影響を与える外側のエリア(※1)でモーメントマグニチュード(Mw)7.0以上の地震が発生した場合
とある。さて早速「モーメントマグニチュード」なる専門用語が飛び出してきた。
どうやら日本では「気象庁マグニチュード(Mj)」と「モーメントマグニチュード(Mw)」が一般的に使われているらしい。早く計算でき、速報に適しているMjを通常は使うらしい。しかし、この計算方法ではマグニチュードが大きくなった場合に「飽和」して、正しく数値が出ないため、巨大地震ではMwが使われるという。
実際に東日本大震災の地震では緊急地震速報発令時のマグニチュード(Mj)は7.2、その後の暫定値でもMjで8.4となっている。最終的なマグニチュード(Mw)は9.0(地震発生から2日後の確定値)だった。
モーメントマグニチュードについての補足っぽいなにか
モーメントマグニチュードの計算式は次の通り
一切意味がわからなかった。
調べていくとモーメントマグニチュードでは従来の指標では表面波など地震計の数値から算出したところを、断層の物理的なずれから算出することにより飽和しなくなるようにしたらしい。Mwでは小さい地震は正確に測定できないそうだ。
マグニチュードについて造詣を深めたところで次に進もう。情報発表の流れのところに
気象庁において一定精度のMwを推定(地震発生後15分~2時間程度)し、情報発表基準を満たす先発地震であると判断でき次第、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の発表と内閣府・気象庁合同記者会見が行われます。
とある。

さらに先の「『北海道・三陸沖後発地震注意情報』について」ではこう書かれている
この情報は、後発地震の発生時期や場所・規模を確度高く予測する情報ではなく、ましてや発生を予知する情報でもありません。また、大規模地震の発生可能性が平常時より相対的に高まっていると言っても、後発地震が発生しない場合の方が多いこと、その一方、防災対応を呼びかける1週間が経過した後も大規模地震が発生する可能性があることなど、極めて不確実性が高い情報です。
このような背景を持つものの、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表するのは、過去の大規模地震が後発地震として発生している事例が知られているからであり、たとえ不確実性が高くとも警戒レベルを上げることで被害軽減を図ることができると考えられるからです。突発的に発生する地震への日頃からの備えを前提とした上で必要な防災対応を呼びかけ、より多くの人命を守るための取組なのです。
つまるところ、少しでも可能性があるのなら警戒しておいて得はあっても損はないということだろう。
注意事項として
Mw7.0以上の地震発生後7日以内にMw8クラス以上(Mw7.8以上)の後発地震が発生する確率は、概ね百回に1回程度(Mw8.0以上の地震発生後にMw8クラス以上の後発地震が発生する確率は、概ね十回に1回程度)です。Mw7.0以上の地震発生後、平常時に比べるとMw8クラス以上の地震発生の可能性は相対的に高まっていると考えられますが、1週間のうちに後発地震が必ず発生するわけではないことに留意が必要です。
と書かれている

1%の確率を重く見るか軽く見るかは人次第だろう。
しかしながら、地震が起きるかどうかにかかわらずこういった情報が防災意識を高めるのだと思う。気象庁も次のように書いている。
日頃からの地震への備えを徹底しておくことが最も重要であることは言うまでもありません。
しかしながら、備えの意識というものは薄れていくものであり、確認をこまめにすることができればよいが、難しいこともある。
このような時に今一度用意・確認しておくことが、この情報が発令されているときだけでなくこの先の未来にも役立つかもしれない。





